米国最終更新 2026-09-25

OpenAIマフィアとは?メンバー一覧・輩出企業・関連書籍

別表記:オープンAIマフィア/OpenAI Mafia/OpenAI mafia

OpenAIマフィアとは、2015年設立のAI研究企業OpenAIに在籍した後、Anthropic、Safe Superintelligence、Thinking Machines Lab、Perplexityなどを創業・経営するようになった研究者・経営者の集団を指す通称である。

OpenAIマフィアの主なメンバー一覧

OpenAIに2015〜現在の間に在籍し、その後に起業・投資で実績を残した主な人物です。在籍時の役職と、その後の主な創業・経歴を並べています。

氏名OpenAIでの役職・在籍その後の主な創業・経歴
イーロン・マスクElon Musk
共同創業者・取締役2015〜2018年
ニューラリンク(共同創業者)、xAI(創業者)、米国連邦政府(大統領上級顧問(政府効率化省=DOGE))
アンドレイ・カーパシーAndrej Karpathy
創業メンバー・研究科学者2015〜2017年
研究者2023〜2024年
テスラ(AI・Autopilot Vision担当ディレクター)、Eureka Labs(創業者)、Anthropic(事前学習チームの研究者)
イリヤ・サツケバーIlya Sutskever
共同創業者・チーフサイエンティスト2015〜2024年
Safe Superintelligence(共同創業者・CEO)
サム・アルトマンSam Altman
共同創業者・共同会長→CEO2015年〜現在
Tools for Humanity(共同創業者・会長)
グレッグ・ブロックマンGreg Brockman
共同創業者・CTO→社長2015年〜現在
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ジョン・シュルマンJohn Schulman
共同創業者・強化学習チーム責任者2015〜2024年
Anthropic(研究者)、Thinking Machines Lab(チーフサイエンティスト)
アラヴィンド・スリニヴァスAravind Srinivas
研究科学者2021〜2022年
Perplexity(共同創業者・CEO)
ダニエラ・アモデイDaniela Amodei
安全・政策担当VP2018〜2020年
Anthropic(共同創業者・社長)
ダリオ・アモデイDario Amodei
研究担当VP2016〜2020年
Anthropic(共同創業者・CEO)
ミラ・ムラティMira Murati
応用AI・パートナーシップ担当VP→CTO2018〜2024年
Thinking Machines Lab(創業者・CEO)

OpenAIマフィアが生んだ企業

メンバーがOpenAIを離れた後に創業(共同創業を含む)した企業です。

企業設立創業に関わったメンバー
ニューラリンク脳に埋め込むブレイン・コンピューター・インターフェースの開発企業。2016年イーロン・マスク
Tools for Humanity虹彩をスキャンする端末「Orb」で本人が人間であることを証明する仕組み「World」を開発する企業。2019年にアレックス・ブラニア、サム・アルトマンらが設立した。2019年サム・アルトマン
Anthropic大規模言語モデル「Claude」を開発するAI企業。2021年にダリオ・アモデイ、ダニエラ・アモデイらOpenAIの元社員7人が設立した。2021年ダニエラ・アモデイ、ダリオ・アモデイ
Perplexity大規模言語モデルとウェブ検索を組み合わせたAI検索エンジンを運営する企業。2022年にアラヴィンド・スリニヴァスらが設立した。2022年アラヴィンド・スリニヴァス
xAI対話AI「Grok」を開発するAI企業。2023年イーロン・マスク
Eureka Labsアンドレイ・カーパシーが2024年7月に設立したAI教育企業。最初の講座として大規模言語モデルを扱う「LLM101n」を掲げた。2024年アンドレイ・カーパシー
Safe Superintelligence安全な超知能の開発を唯一の目標に掲げるAI企業。2024年にイリヤ・サツケバー、ダニエル・グロス、ダニエル・レヴィが設立し、パロアルトとテルアビブに拠点を置く。2024年イリヤ・サツケバー
Thinking Machines LabOpenAIの元CTOミラ・ムラティが2025年2月に設立したAI企業。モデルの微調整用API「Tinker」やオープンウェイトの大規模言語モデルを公開している。2025年ミラ・ムラティ

成り立ち

OpenAIは2015年12月、サム・アルトマン、イーロン・マスク、イリヤ・サツケバー、グレッグ・ブロックマンらが非営利の研究組織として設立した。創業期にはジョン・シュルマンやアンドレイ・カーパシーら若手研究者も加わった。設立時には総額10億ドルの資金拠出が表明されたが、実際の拠出はこれを大きく下回ったとされる。

2018年にマスクが取締役を退き、2019年には出資者への利益に上限を設ける「キャップ付き営利」の仕組みを導入してMicrosoftから10億ドルの出資を受けた。同年にアルトマンがCEOに就任している。2022年11月に公開した対話AI「ChatGPT」は2か月で1億人超の利用者を集め、生成AIブームのきっかけとなった。2025年10月には公益法人(PBC)のOpenAI Group PBCへ再編された。

組織の拡大と並行して、人材の独立も続いた。2020年末には研究担当VPのダリオ・アモデイらが退社し、2021年1月にAnthropicを設立した。2023年11月には取締役会がアルトマンを解任し、5日後に復帰させる騒動が起きた。2024年にはサツケバー(5月)、シュルマン(8月)、CTOのミラ・ムラティ(9月)ら創業期からの幹部が相次いで退社している。日本語メディアでは2023年頃から「OpenAIマフィア」の呼び名が見られ、米TechCrunchは2026年2月に出身者の創業企業を「The OpenAI mafia」として特集した。

なぜOpenAIから起業家が生まれるのか

  • 大規模モデル開発の経験:膨大な計算資源を使って大規模言語モデルを訓練・運用した経験を持つ研究者は限られる。その経験自体が資金調達の根拠になりやすく、Safe Superintelligence(SSI)やThinking Machines Labは、製品の一般公開前から数十億ドル規模の資金を集めた。
  • 開発方針をめぐる考え方の違い:安全性をどこまで優先するか、営利化・製品化をどの速度で進めるかについての考え方の違いが、独立の背景として語られることが多い。Anthropicの創業者は方向性の違いからOpenAIを離れたとされ、SSIは「短期的な商業的圧力から切り離された」開発を掲げている。
  • 研究室を通じた人脈:出身者の多くは北米の大学の研究室に連なる。サツケバーはトロント大学でジェフリー・ヒントンに、カーパシーはスタンフォード大学でフェイフェイ・リーに師事した。シュルマンとスリニヴァスは、いずれもUCバークレーでピーター・アビールの指導を受けて博士号を取得している。

出身者どうしのつながり

出身者の移籍先は、別の出身者が立ち上げた会社であることが多い。シュルマンは2024年にAnthropicへ移り、2025年2月にはムラティが設立したThinking Machines Labのチーフサイエンティストに就いた。カーパシーは2026年5月、Eureka Labsでの活動を休止してAnthropicの事前学習(プリトレーニング)チームに加わった。SSIの共同創業者ダニエル・レヴィもOpenAIの元研究者である。

OpenAI以前の職場が重なる例もある。ブロックマンは2010〜2015年に決済企業Stripeに在籍してCTOを務め、ダニエラ・アモデイも2013年にStripeへ初期社員として入社した。ムラティ(2013〜2016年)とカーパシー(2017〜2022年)は、時期は異なるものの、いずれもマスクが率いるTeslaで働いた経験を持つ。

一方で、出身者どうしが競合・対立する場面もある。Perplexityは当初OpenAIのGPT-3.5を利用してサービスを始めたが、OpenAIもAI検索の機能を提供しており、両社は同じ領域で競合する関係にある。

OpenAIマフィアを知るための本

Empire of AI(エンパイア オブ AI) 新しい帝国が生まれるとき

カレン・ハオ 著/長谷川圭 訳/東洋経済新報社(2026年)

OpenAIを長く取材してきたジャーナリストが、260人への取材をもとに同社の変化とAI開発競争の実態を描いたノンフィクション。

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GENIUS MAKERS ジーニアスメーカーズ Google、Facebook、そして世界にAIをもたらした信念と情熱の物語

ケイド・メッツ 著/小金輝彦 訳/CCCメディアハウス(2021年)

ニューヨーク・タイムズ記者が、深層学習の研究者たちとIT企業の人材獲得競争を描いたノンフィクション。ジェフリー・ヒントンらの会社をめぐる買収劇から始まり、OpenAI設立前後の動きも扱う。

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サム・アルトマン 「生成AI」で世界を手にした起業家の野望

キーチ・ヘイギー 著/櫻井祐子 訳/NewsPicksパブリッシング(2025年)

ウォール・ストリート・ジャーナル記者による、サム・アルトマンの評伝。250件を超える取材をもとに、Y Combinator時代からOpenAIの創業、2023年の解任騒動までを描く。

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よくある質問

OpenAIマフィアの主なメンバーは誰ですか?

OpenAI創業者のサム・アルトマン、グレッグ・ブロックマン、イーロン・マスク、イリヤ・サツケバー(Safe Superintelligence)、ジョン・シュルマン、アンドレイ・カーパシー(Eureka Labs)に加え、Anthropicを設立したダリオ・アモデイとダニエラ・アモデイ、Thinking Machines Labのミラ・ムラティ、Perplexityのアラヴィンド・スリニヴァスらが代表的な人物として挙げられます。

なぜOpenAIから多くの起業家が生まれるのですか?

大規模言語モデルを訓練・運用した経験を持つ研究者が限られており、その経験自体が資金調達の根拠になりやすいことが一因です。加えて、安全性の優先度や製品化の速度をめぐる考え方の違いが独立のきっかけとして語られることも多く、2023年11月の経営陣をめぐる混乱の後には創業期からの幹部の退社が相次ぎました。

OpenAI出身者が創業した主な企業は?

Anthropic(ダリオ・アモデイ、ダニエラ・アモデイら)、Safe Superintelligence(イリヤ・サツケバーら)、Thinking Machines Lab(ミラ・ムラティ)、Perplexity(アラヴィンド・スリニヴァスら)、Eureka Labs(アンドレイ・カーパシー)などがあります。TechCrunchの特集では、Adept(デビッド・ルアン)やCovariant(ピーター・アビールら)なども出身者の創業企業として紹介されています。

PayPalマフィアとの関係は?

「OpenAIマフィア」という呼び名は、PayPal出身者のネットワークを指す「PayPalマフィア」になぞらえたものです。PayPalマフィアの一人であるイーロン・マスクはOpenAIの共同創業者でもあり、2018年まで取締役を務めました。

メンバーの人物ページ

出典

  1. TechCrunch: The OpenAI mafia: 18 startups founded by alumni (2026) — https://techcrunch.com/2026/02/20/the-openai-mafia-15-of-the-most-notable-startups-founded-by-alumni/
  2. THE BRIDGE: 「Attention Is All You Need」著者たちの今——期待される〝OpenAIマフィア〟の出現 (2023) — https://thebridge.jp/2023/05/expected-emergence-of-openai-mafia
  3. Wikipedia: OpenAI — https://en.wikipedia.org/wiki/OpenAI
  4. Wikipedia: Anthropic — https://en.wikipedia.org/wiki/Anthropic
  5. https://en.wikipedia.org/wiki/Elon_Musk
  6. https://en.wikipedia.org/wiki/Andrej_Karpathy
  7. https://en.wikipedia.org/wiki/Ilya_Sutskever
  8. https://en.wikipedia.org/wiki/Sam_Altman
  9. https://techcrunch.com/2026/09/12/openais-sam-altman-says-it-would-be-ill-advised-to-go-public-in-2026/
  10. https://en.wikipedia.org/wiki/Greg_Brockman
  11. https://fortune.com/2026/07/25/openai-president-greg-brockman-interview-challenges-pressure-high-stakes-ai-startup-hugging-face-regulation/
  12. https://en.wikipedia.org/wiki/John_Schulman
  13. https://fortune.com/article/perplexity-ceo-aravind-srinivas-ai/
  14. https://en.wikipedia.org/wiki/Daniela_Amodei
  15. https://en.wikipedia.org/wiki/Dario_Amodei
  16. https://www.lesswrong.com/posts/7r8KjgqeHaYDzJvzF/dario-amodei-leaves-openai
  17. https://en.wikipedia.org/wiki/Mira_Murati

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